東京五輪に備え、特殊な手術できる外科医を養成

誰もが楽しみにしている東京オリンピック

生きているうちに自分の国でオリンピックが開催されるというのはとても貴重な経験です。
そのため、早くから2020年の東京五輪オリンピック・パラリンピックに向けての取り組みが進んでいます。

オリンピックが開催されるとなれば、世界中からたくさんの人たちが日本を訪れることになります。
そうなれば宿泊施設を増やすことも必要ですし、競技場を増やすことも必要です。
それ以外にもライフラインの充実や移動手段の確率など、取り組むべきことはたくさんあるのです。

オリンピックに向けての医療面での取り組み

オリンピックに向けての取り組みといえば、インフラ整備が主だったものに思われがちです。
しかし、医療面でも新たな取り組みが進みつつあります。
それが特殊な手術ができる外科医の養成です。

言葉だけを見ても、何をいっているのかいまいちイメージがわきません。
これは、2020年のオリンピックに向けて、厚生労働省が始めた取り組みです。

具体的にはテロ対策としての取り組みであり、オリンピックが開催されるとなれば様々な国からいろんな人が入ってくるためにテロが起こることを想定する必要があるとされています。
しかし、日本では日頃からテロへの免疫が少なく対処の方法にも限りがあります。
そして何よりもテロが起きた時の外傷治療の経験者が少ないという問題があるのです。

万が一今の日本で大規模なテロが起きたと想定すると、その状況に対応できる医師の数はごくわずかです。
そうなれば救える命にも限りが出てきてしまいます。
そこで、不測の事態に対応するために特殊手術のできる外科医を増やそうという考えが進んでいるのです。

厚生労働省の取り組み

テロが起きた場合には、患者の容態は不安定になるような大きな傷を負いますし、検査をする余裕がないことがほとんどです。
また、検査をすることなく開腹手術が始まることもほとんどであり、医師はメスを入れて初めて損傷箇所を理解するということもあります。
このような状況を踏まえると、医師は速やかに手術法を決めること、あらゆる臓器に対応できるスキルを身につけることが求められます。

そこで、今年から本格的にオリンピックに向けての外科スキルを上げるための取り組みが進められるのです。
まずは外傷の救急診療や、胸部や腹部の手術経験が一定数ある外科医や救急医を中心とした養成計画を進めています。
研修では海外テロの事例を踏まえた対処方法や精神的ケア、チーム連携の手法といったことを身につけ、実際に動物を使っての実技も行う予定です。